糖尿病を中医学で考える時、やはりインスリン・グルカゴンを分泌している膵臓が
重要な臓器になると思いますが、膵臓にかんしては、あまり詳しい説明を聞いた
記憶がありません。
「医学衷中参西録」の“治消渇方”の滋膵飲にこんな記述がありました。
・・・中焦の膵が病んで脾に及ぶのである。膵は脾の副臓で、中医学書では
「散膏」と名付けられ、扁鵲は〖難経〗「四十二難」で脾には「散膏」が
半斤あると記している(膵尾部は脾門につながり、膵全体への動脈も動脈から
分岐し、脾と密接な関係にある。)・・・・・・・・
膵病が脾に波及すると、脾気は精を散じて肺に布達できなくなり
〖内経〗【素問・経脈別論】には「脾気は精を散じ、上り肺に帰し、水道を
通調し、下り膀胱に輸す」とある。
津液が不足し水道を通達できないので、小便を制御できず、喉が渇いて
多飲・多尿になる。この記述により、やはり「脾」の弁証論治が糖尿病治療の中心になることが
解ります。「滋膵飲」では黄耆を主薬にして脾気を助けて上昇させ、もとのように精を
散じて肺に布達させている。また「玉液湯」という処方では、山薬を主薬にして、補脾固腎し含有する
タンパク質で膵臓を滋補している。また西洋医学では消化にかんしての注意はすくなく、栄養素の吸収に重点を
おかれていますが、中医学では消化に重きをおきます。ここでも鶏内金は
食物消化に働くので糖尿にも使用する機械は多いといっています。
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