懐かしき北国の街

読書(自分の心に残った名言)

札幌、旭川とコロナで大変な状況ですが何とか早く落ち着いてほしいです。

就職し最初に配属されたのが札幌支店でした。
同僚もすでに退職していますが、大学時代・札幌勤務時代が一番思い出深い
時代です。いまでも「北国」という言葉が好きです。

石川啄木 ドナルドキーン 角地幸雄男訳
この本を読むとあの頃が鮮明におもいだされます。

札幌は大なる田舎なり、木立ちの都なり、秋風の郷なり
しめやかなる恋の多くありそうなる都なり。

路幅広く人少なく、木は茂りて蔭をなし
人は皆ゆるやかに歩めり。

アカシアの街樾(なみき)を騒がせ、ポプラの葉を裏返して
吹く風の冷たさ、朝顔を洗う水は身に沁みて寒く口に啣(ふく)めば
甘味なし、札幌は秋意漸く深きなり」

私も初めて札幌を訪れた時、異国にいるように感じました。
旭川にもいました。札幌と同じく懐かしい。啄木は次のようにいっています。

「さいはての駅に下り立ち雪明り
さびしき町にあゆみ入りにき」

啄木の歌には共感します。

「呼吸(いき)すれば、胸の中(うち)にて鳴る音あり
凩(こがらし)よりもさびしきその音!

まれにある この平(たいら)なる心には
時計の鳴るもおもしろく聞く」

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