漱石の本を読んでいると必ず中医学にも関係する言葉だと気付くところが出てきます。
今回は「門」の最終部分に出てくる箇所です。
「猛烈に諸縁を放下し、専一に己事を究明する」
夢想国師の言葉のようですが、このなかの諸縁を放下するという言葉は曲黎敏先生も
よく使用しています。
身にまつわるさまざまな因縁を捨て去って、自分の最も重要な問題を究明するという
意味だそうですが、一般の人間では仕事だと思います。
人間はこの過去の因縁をいつまでも抱え込んでいるものです。
漢方相談されるお客様にも少し考えていただきたいことだと思います。
自分の未熟から解決しないことがほとんどですが、薬を使用すればすぐ解決すると
いうわけにはいかないことがたくさんあります。
特に精神領域が絡む疾患は、因縁にとらわれている場合が多いようです。
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