成熟は穀物が実るとか物事を成し遂げるという意味があるようですが
人間には善悪の成熟があるようです。普段は善的の成熟に使用しているようです。
「人々が学んでいる四書五経は、孔子、孟子が説いた教えを記したものである。
それなのに善の善なる境地に達することが出来ないのは『熟』という一字
を欠いているからである。『熟』とは、口で読み、読んで熟さないなら、思索、つまり物事のすじみちを
立てて深く心で考え、思索しても熟さないならば行動する。行動して、また
思索してまた読む。」
これが松陰のいう『熟』の考えかた。
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「ある人は生活、前途、願望などを損なわれ成長し、ある人は慈しまれ、守られ
明るく成長する。それゆえ、前者は恨みを、後者は恩情を生み出す。恨みは精神を緊縮し
愛は心を広げ緩ます。ゆえに、いかなる成熟も環境が問題になる。ある人は瓜が熟して蔕が落ちるように、成功は自然となり、強く捩じられた
瓜は永遠に苦く渋く、永遠に甘くならないようにその人も成功は期待出来ない。人間は二つの恐れを考慮しなければならない。
理想はあるが現実がない。現実はあるが理想をもてない。同じようで違う。前者はめぐり合わせが悪く、後者は無知、間抜けである。つまり「波に従い
流れを追いかける」大勢に従う人間。」生命沈思録3 曲黎敏
つまり善的成熟は簡単なことではないです。志のベクトルが大事になります。
またほとんどの人間が未熟なまま一生を終えています。
中医学では「腎神為志」といい志は腎の神明と考えます。
よく言われている『腎虚』では善悪いずれも強い志を持つことができません。
現代人が注意しなければならないことが二つあります。
❶:冷たいものの取りすぎ(冬でもビールを飲んだり、イチゴを食べたり)
胃寒⇒腎寒の流れとなり、腎陽虚となり、腎の機能が落ちます。
❷:甘いものの取りすぎ、中医学では“腎病禁甘”が常識です。腎には収蔵の働きがあり
極端に甘いスイーツなどは、腎精を収めておけなくなり腎虚となります。
(甘いものは憂を紛らしてくれるのでストレスの多い現代では取りすぎてしまいます)
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