肝の病理 疏肝の薬対 柴胡ー芍薬

肝の病理

小柴胡湯の加減方については別の分類を行います。

「肝」・「胆」が表裏の関係にあるということで、少陽経(手少陽三焦・足少陽胆経)
の病理に「肝」の異常が出るため、「肝胆」として考えています。

肝の生理もいろいろありますが、今回は精神疾患にかんする「肝の疏泄(そせつ)」に
ついて考えてみます。肝の疏泄とは次の三つが主な働きとなります。

❶:気の運行(全身の気をめぐらせ、調節する。)

❷:感情を安定させ、正しい判断をする。

❸:脾の消化(運行)を助ける、運行にはもっといろいろ意味があります。

疏泄がうまく調節されないことを「肝気鬱結」といいます。

主症状:イライラ・抑鬱・猜疑心・理性減退・感情のコントロールがうまく出来ない。
    肝経・胆経にそった部位の痛み・張り・凝りなど

治法:疎肝解鬱

代表方剤:四逆散(柴胡・白芍薬・枳実・炙甘草)柴胡―白芍薬は疏肝の薬対

この考えで使用している人が多く、この「疎肝解鬱」を是としない人もいます。
「四逆散」は少陰病の方剤で少陰の陽鬱を解いて、陽気を四肢へ送るのが本来の
目的と考えるものです。

いずれにしても疎肝解鬱の作用があります。
実際の臨床では疏肝と行血止痛の効果を強めている柴胡疏肝散を自分は使用しています。

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