廓然無聖(かくねんむしょう)東京物語 原節子

読書(自分の心に残った名言)

武帝が達磨大師に自分の功徳をたずね「無功徳」と答えられ、では
「真の功徳はどのようなものか」とさらにせまった時にいわれた言葉が
廓然無聖(かくねんむしょう)だそうです。

難しい言葉ですが青空がカラット晴れ渡って世間の価値で求められるようなもの
でないというような意味らしいです。

小津安二郎の作品には澄み切った空が広がっているシーンが多くみられるようです。

まだ数本した見ていないので詳しい話はできないのですが夭折した二人の友人がともに
死ぬ直前に「小津安二郎はいいな」といっていたので印象が深いです。

セリフでも「ああ、いいお天気」という場面がでてきます。

何となく思ったのですが小津作品の晴天と廓然無聖がつながっているような気がします。

小津監督は原節子の演技にこの廓然無聖を意識していたように感じられます。

セリフは正確ではないかもしれませんが「義父母」に対し
「私が好きでやっているだけですわ、私これがいいんです。」

義父母にたいする優しさが自然な振る舞いで作為がまったくありません。

義母が原節子の部屋に泊めてもらったのが東京へ出てきて一番の幸せだったと
言わせます。

何か気持ちに意識したとき、人に感動され感謝されることはないなあと気づか
されます。

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