「アトピー性皮膚炎の漢方治療」東洋学術出版社①

アトピー性皮膚炎

1996年5月に出版された本です。何度も読んでいるうちに理解できる部分が増えて
くるものです。

最初購入した時に一生懸命読みましたが、当時の自分には理解できない部分が多くありました。

24篇あるのですが現在も自分の肌に合う先生と、理論がしっくりこない先生もいます。

高知実用中国医学研究会 木田 正博先生の次の部分は当時も響くものを感じましたが現在でも
まったく同様で臨床での有効例が増えたと考えています。

「・・・・滋陰養血潤燥は原則として行わない。黄水(浸出液)が無く、落屑・紅斑・亀裂が
あり、一見して乾燥しているような皮疹であっても滋陰は行わない。

津液の運行が悪いために、一方では湿が生じ、一方では滋潤作用が阻害されていると考え、
健脾燥湿により気や津液をめぐらせる方がよい。

実際、乾燥した発疹の下層の「肌」の部分には肥厚がみられ、そこに湿のあることが
ほとんどである。

経験的にも乾燥した皮膚に滋陰法を行った場合、かえって悪化したことが多い。」

次の部分も過去には飛ばしてしまったのですが、やはり重要なところでした。

ステロイドの不適切な使用や極端な除去食療法や生活不摂生が長期間続いた場合
怪病となって腎虚を生じることがある。

この場合は、状態に合わせて袪邪の力を弱め補養気血・補腎を行う必要がある。

木田先生は基本法を挙げたうえで、症状に合わせての加減方も紹介しています。

この基本法をもとに、自分の弁証を重ねていくと非常にわかりやすく
「アトピー性皮膚炎」をとらえることができます。

一つだけ加えるとしたら治療の過程で健脾が絶対欠かせないということが
言えると思います。

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