私の住む地域には甲状腺異常の方が多く、その専門医は患者さんがいっぱいで受診する
にも一日がかりのようです。
昔から土地風土に関係深く、中医学では水土不和(すいどふわ)といわれていました。
中医学では癭病(ようびょう)に包括されています。
最近は情志の要素が強調され、精神的な原因も問題になるようになっています。
頸部は頭部と身体の架け橋のような場所で、理性と本能が衝突してもつれねじれあう
場所です。
甲状腺の異常も、自分の理想と現実の格差からくる憂慮や怒りが病気の原因と考えられる
例もあります。
黄帝内経には咽喉部には肝経・腎経・脾経・心経の陰経の経絡、三焦経・小腸経.胃経の
陽経の経絡、督脈が走り、その異常は咽喉部にすべて出ると出ています。
甲状腺機能亢進症は腎の陰虚による陰虚火旺(かおう)による心・肝・胃の異常が
関係したものが多く、機能低下症では腎陽虚を中心にした病症が多いようです。
さらに血瘀(けつお)・気滞(きたい)・痰濁(たんだく)なども注意深くみて
弁証します。
西洋医学では微量なホルモン調節によって治療するのが一般的ですが、
中医学では身体全身の陰陽を調節したり、情志の安定や血や津液の流れの改善で
治療することも頭にいれて総合的治療をめざします。
甲状腺だけでなく咽喉部の異常はこれから増々問題になってくると思います。
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