中風(卒中) 脳充血と脳貧血

中医学

脳卒中で倒れる人が私の周りでも多くいます。やはり予防が一番ですが突然だったので
まったく気にしていなかったという方がほとんどです。

必ず「なにか変わった自覚症状はなかったですか」と質問していますが、無かったと
答える人がほとんどです。

中風(卒中)のことは「内経」にみられます。
「血これ気と並び上に走れば、則ち大厥を為し、厥すれば則ち暴(にわ)かに死す。
「調経論篇」

「巨陽の厥なれば則ち首(こうべ)を腫らし頭重く、足は行くこと能(あた)わず、
発して眴仆(けんぼく)となる。陽明の厥なれば・・・・面赤くして、妄見して妄言す、
少陽の厥なれば・・・・則ち暴(にわ)かに聾し、頬腫れて熱し、脇痛みコウ以って運ぶ
べからず・・・・・・・・」「厥論篇」

厥証:卒倒、人事不省、四肢が氷のように冷たいことを主要症状とする病症。
眴仆:目がくらみ、卒倒する
コウ:両大腿

上の二つの表現は脳充血を表現していると考えられます。

厥証には虚・実のふたつあり実を脳充血。虚を脳貧血と分けられます。

実証:情志の失調により肝陽上亢となるか、あるいは飲食不摂生のため、食物が積滞・内停し、
   気機が逆上し、気逆に痰・食を挟み頭部を防ぎ、清竅(せいきょう)を閉じる。

虚証:身体の気虚により気虚下陥、清陽不昇となり清竅が養われない。

この虚実を間違えると大変なことになります。

実際には厥証に至った場合、一刻も早く脳外科ということになります。
日本では降圧剤で血圧を維持することが予防となっているようですが

降圧剤を毎日服用している方々でも多くの人が脳卒中で倒れています。やはり他の要素も
考慮しておく必要があると思われます。

漢方で自分の体質を見極め、陰陽の平衡を保っておくことも大事なことです。

普段よく観察していると気反(かえ)れば則ち生き、反(かえ)らざれば死すの部分の
転機は、大きな精神的ストレスが重なるときがポイントになっているような気がしています。

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